野原貴子公式サイト

2015.4.29 | カテゴリ:ブログ

私、嫉妬深いんです。。

仁王像

みなさん、こんにちは。沖縄の心理薬剤師の野原貴子です。
今日もこのブログに来て頂いてありがとうございます。
今朝の沖縄は雨ですね〜。  涼しさがあって過ごしやすいお天気です。
 
 
さて、先日私のカウンセリングルームを訪れた70代の女性の患者さん。
いつも夫婦で来られてて患者さんが点滴している間、夫はリハビリをしたりクリニックのスタッフや他の患者さんと談笑したりと有意義に時間を過ごしています。
 
 
当の患者さんはいつも大人しく控えめで表情が固い印象を受けていました。
今までカウンセリングを受けた事はなかったのですが、私とトイレではち合わせた時に、その人柄と年齢からは想像出来ないほどの強さで私の腕をガシっと掴み
「先生、ここで会ったのが縁だと思うんです。今、私カウンセリング受けたい!」
私は驚きと腕の痛さとで大きな声で「どうぞ、いつでも!」と反射的に言ってました。
 
 
そして私がトイレを済ますのをカウンセリングルームの前で待ち構えていて中に入りました。
中に入ると急に不安になったのか、モジモジソワソワ顔色から「やっぱり、来るんじゃなかった。。」
という後悔の表情。。
 
 
「勇気を出してよくいらっしゃいましたね。ありがとうございます。」と私が言うと笑顔になって
「いつもこの部屋から出て来る患者さんを見ていたんです。みんな入るときは暗い顔してるのに出て行くときは笑顔やらスッキリした顔になってるでしょう。私もそうなれるんじゃないかと思って。。」
 
 
この方は、私が魔法の杖でも持っていてひとたびエイ!と振れば誰でもニコニコにしてしまうと考えてるのでは。。と一瞬不安がよぎりましたが、それを意識しながら聴いていると、
「私、嫉妬深いんです。。夫に対して携帯も必ずチェックするし、外出してるとどこにいるのか何度も何度も電話するんです。そのせいで癌になったんです。でもそれでも夫は遊びを止めないんです。どうしたら彼を止められますか?携帯を見る自分も嫌なんです。こんなこと子供にも知られたくないし、誰にも言えないんです。」
 
 
すがるように目に涙を浮かべて、訴えてきました。
よっぽどその思いが苦しかったのでしょう。言い出すと止まらなくなって堰を切ったように話し続けました。
嫉妬という言葉とはかけ離れたように見えていた彼女ですが心の中はそのどうしようもない思いとそれを罰する自分自身に打ちのめされていたんです。
 
 
彼女が話している間、私自身は自分の呼吸を意識しながら慈悲瞑想をしていました。
段々と彼女の呼吸も落ち着いて来て私の間の手も入る隙間もでき、ゆっくりと彼女の感情を確認する作業に入れました。
 
 
帰る頃には笑顔になって「トイレで先生を掴まえてよかった〜。」と二人で笑うこともできました。
私にとっては日頃の彼女への思い込みで「術後も上手く行っている仲睦まじい患者さん夫婦」としてしか見えてなかったことに反省。
そして彼女の「私嫉妬深いんです。」というその年齢からその言葉。。という思い込みにも反省。
 
 
彼女が出て行った後も、トイレの下りから思い出し笑いをするのでした。^^
 
 
魔法の杖は持っていないけれど患者さんの自己治癒力を信頼する軸を持っている自分にOKが出せるお話でした。^^
 
 
では今日も一日笑顔で、マインドフルに。。^^

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